はじめに|“海に浮かぶモスク”を訪れてみませんか?
イスタンブールには多くのモスクがありますが、「アヤソフィアやブルーモスクはもう行った」という方におすすめしたいのが、**オルタキョイ・モスク(正式名:Büyük Mecidiye Camii)**です。
ボスポラス海峡沿いに佇むこのモスクは“海に浮かぶモスク”とも呼ばれ、その美しい外観と幻想的な内部装飾で知られています。
この記事では、歴史・建築・写真スポット・アクセス方法・よくある質問まで徹底的に紹介します。-1024x768.png)
基本情報|Büyük Mecidiye Camii(ビュユク・メジディエ・ジャーミイ)
項目 | 内容 |
正式名称 | Büyük Mecidiye Camii |
所在地 | Mecidiye, Mecidiye Camii Sk. No:1, Beşiktaş, İstanbul |
建設年 | 1853年着工、1855年完成(スルタン・アブデュルメジト1世) |
設計者 | ガラベト&ニコゴス・バリヤン(アルメニア系宮廷建築家) |
建築様式 | ネオバロック様式、ロココやアラベスク要素を含む折衷様式 |
入場料 | 無料(寄付歓迎) |
営業時間 | 毎日(礼拝時間中は見学不可) |
推奨服装 | 女性はスカーフ持参。男女とも露出の少ない服装 |
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歴史背景|タンジマート時代の象徴的建築
オスマン帝国の西洋化を進めた「タンジマート改革(1839–1876年)」の真っ只中に建設された本モスクは、伝統的イスラム建築に西洋のネオバロック様式を取り入れた先進的な設計でした。
当時、オルタキョイ地区はムスリム、ユダヤ人、ギリシャ人、アルメニア人などが共存する文化的中心地でもありました。こうした背景が、このモスクの芸術的・宗教的な多様性に影響を与えています。
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建築と内部装飾|視覚的にも宗教的にも圧巻
外観の特徴
- 白色の大理石外壁と緻密な石彫リリーフ
- ボスポラス海峡に面し、2本のミナレットが立つ壮麗な景観
- パノラマ撮影で橋とセットの構図が人気
内部空間の美しさ
- ステンドグラス越しに差し込む自然光が幻想的な演出を創出
- ピンクと白の大理石を基調に、金のカリグラフィーが施されたドーム天井
- 中央の巨大なクリスタル製シャンデリアは19世紀にヨーロッパから輸入
- 礼拝方向を示すミフラーブと説教壇ミンバルには、バロック様式の彫刻があしらわれている
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ドームと天井装飾
- 柔らかなピンクと白、金を基調とした配色
- 天井には金のアラビア文字によるカリグラフィー装飾
- トロンプ・ルイユ(だまし絵)風の幾何学模様が、高さのある立体的な錯覚を生み出しています。
- 中央の巨大なガラス製シャンデリアが空間を一層荘厳に
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ミフラーブ|礼拝の方向を示す窪み
ミフラーブは、**モスクの中でメッカ(カアバ神殿)の方向(キブラ)を示すくぼみ(壁龕)**です。礼拝の際、ムスリムたちはこの方向に向かって祈ります。
• モスクの正面壁に半円形またはアーチ状の装飾が施されています。
• 大理石やタイルで美しく装飾されるています。
• オルタキョイ・モスクではピンクの大理石が使われ、繊細植物模様と幾何学的装飾な浮彫で飾られています。
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ミンバル(Minber)とは?
ミンバルは、金曜礼拝(ジュムア)などの説教(フトバ)を行うために使われる階段付きの説教壇です。
• 一般にはミフラーブの隣に設置されていることが多いです。
• イスラムの指導者(イマームまたはハティブ)がここに登って集まった人々に向けて教えを説きます。
• オルタキョイ・モスクのミンバルは、白とピンクの大理石で作られ、バロック様式の装飾が施されています。
• イスラム伝統美術と西洋装飾が見事に融合さています。
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修復の歴史|幾度も蘇った“水辺の華” 年代 出来事
年代 | 出来事 |
1894年 | 大地震でドームとミナレットが損傷 |
1909年 | 大規模修復(ミナレット頂部の意匠が変更) |
1960年代 | ドーム再建と基礎強化工事 |
1984年 | 火災により内部の一部が損傷、再修復実施 |
2011–2014年 | 大修復が行われ、2014年6月6日に再オープン |
行き方・アクセス
- 最寄り駅:カバタシュ(Kabataş)またはベシクタシュ(Beşiktaş)
- カバタシュからバス(約15分)
- 市内からタクシー:約15〜20分
- 徒歩+ボスポラス海峡沿い散策ルートもおすすめ
- クルーズでの立ち寄りも可能 (ボスポラス海峡クルーズ詳細は関連記事で紹介)
写真映えスポットとベストタイム
撮影スポット | 特徴とおすすめ構図 | ベストタイム |
① 桟橋前広場 (Ortaköy İskelesi前) | – オルタキョイ・モスクが海に浮かぶように見える – 背景にボスポラス大橋が架かる絶景 – 広角レンズで海+モスク+橋を一画面に収めると効果的 | 午前中または夕方前(西日が差す前) |
② モスク内部のシャンデリア真下 | – ドームの下から真上に仰ぎ見る構図 – 中央の巨大なシャンデリアとカリグラフィーがシンメトリーに並ぶ – ネオバロック様式の美しさが引き立つ視点 | 午後2時〜4時ごろ(自然光が側面から入り、ステンドグラスが輝く) |
③ ミフラーブとミンバルを正面から | – ピンクと白の大理石、金の装飾、アーチの構図 – 荘厳なイスラム芸術の空間美を伝えるのに最適 – 観光客が少ない時間を狙って | 朝の礼拝後〜昼前がベスト |
④ モスク北側の遊歩道(カフェ横) | – 横から撮影でき、モスク全体と海、空をパノラマ風に構図化できる – カフェの屋外席からも人気のショットが撮れる | 朝の礼拝後〜昼前がベスト |
④ モスク北側の遊歩道(カフェ横) | – 横から撮影でき、モスク全体と海、空をパノラマ風に構図化できる – カフェの屋外席からも人気のショットが撮れる | 夕方16時〜18時(逆光でシルエットが美しい |
⑤ 夕暮れ(日没前後)のモスク全景 | – 「マジックアワー」に建物が黄金色やバラ色に染まる – ボスポラス大橋と空のグラデーションが映える – 水面に映るモスクの反射も幻想的 | 日没30分前〜日没後15分(季節によって調整) |
写真撮影のポイント
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三脚を使うなら朝早め or 夕方遅めが◎(混雑回避)
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広角レンズやスマホの「0.5x広角モード」もおすすめ
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人が写らない写真を撮るなら平日午前9時前後がベスト
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ドローン撮影は許可が必要です(注意)
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周辺観光とホテル情報
周辺おすすめホテル
オルタキョイ・モスク周辺ホテル一覧(Booking.com)
海沿いのバルコニー付きルームも多数。カップル旅行に最適。
現地ツアー参加で効率よく観光
イスタンブール市内1日ツアー|GetYourGuide
アヤソフィア・トプカプ宮殿・オルタキョイを1日で巡れる。
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よくある質問(FAQ)
- オルタキョイ・モスクの入場料は?
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入場は無料ですが、(2025年現在)礼拝所のため静粛を保ち、必要に応じて寄付しましょう。
- 服装に注意は必要?
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女性はスカーフが必要。短パン・ノースリーブなど露出の多い服装はNGです。
- 混雑を避ける時間帯は?
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平日の午前中が比較的空いています。夕方〜日没前は観光客が多め。
- モスク内は撮影可能ですか?
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はい、ただし礼拝者の妨げにならないよう配慮してください。
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結論|オルタキョイ・モスクは“見る価値あり”の絶景スポット
歴史、芸術、信仰、そして絶景──
オルタキョイ・モスクはそのすべてを兼ね備えた、イスタンブールでも屈指の魅力を持つモスクです。
観光客で混みすぎず、静かな時間を過ごせる場所でもあり、建築・写真・文化に興味があるすべての人におすすめ。
次回のトルコ旅行では、この海に浮かぶような美しいモスクを、ぜひ訪れてみてください
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